香港での勇姿を見たかったが…

　先週の日曜日に香港国際競走が行われました。毎年足を運ぶようにしていたのですが、さまざまな事情が絡み合って今年は不参加に。日本馬にとって最もハードルが高いと思われていた、香港スプリントを制したロードカナロアの勇姿を見ることができなかったのが非常に残念です。

　昨年のカレンチャンが上位に離されたとはいえ５着に入着し、確実に世界との差は縮まっていると感じてはいたが、一気にトップに登りつめる馬がいるとは驚くばかり。ただ、香港にもサイレントウィットネスやセイクリッドキングダムに匹敵する絶対的な存在がいなかったというのも事実。短距離王国・香港にしては珍しく、ここ近年はレースによって勝ち馬が変わることが多くなっており、以前よりもレベルが低い印象は否めない。

　それでも勝利したことの価値が変わるわけではない。久々に日本に現れたスプリント界の絶対的なエース。この強さを後世に残すためにも、もっと強力なライバルが出現し、それをロードカナロアが倒す。そうなれば最高に興奮するのにな。と、いち競馬ファンとして率直に思っている。

（美浦厩舎班・木村拓人）

2012年12月15日