偉大な“アンカツ”さんに続いてほしい

　１月３１日をもって、一人の名手が引退した。アンカツの愛称で親しまれた安藤勝己騎手だ。地方、中央を通して３６年間の騎手生活で素晴らしい実績を残されたのは言うまでもない。

　記者が初めてアンカツさんをライブ観戦したのは９５年の４歳牝馬特別を制したライデンリーダーだ。メンバー最速上がりをマークして中央馬を倒した姿は今でも目に焼き付いている。桜花賞、オークスは期待に応え切れなかったが、紛れもない名牝だった。

　０３年のＪＲＡ移籍後は数々の名馬にまたがり、大レースを制した。勝負に徹した騎乗スタイルは見る者を魅了し、馬券で大きく勝負できるジョッキーとしてファンの間でも絶大な信頼を得ていた。３日の京都競馬場での引退セレモニーも盛大に行われ、惜しまれつつターフを去った。そして７日には新たに大井所属の南関東ナンバー１ジョッキー、戸崎圭太が騎手試験に合格し、ＪＲＡ所属となった。アンカツさんのつくった道を力強く、歩んでいくことを期待したい。

（栗東調教班・紺谷和彦）

2013年02月07日