変化を求め仏遠征に臨む藤岡佑騎手

　先日、フランスへの長期遠征を発表した藤岡佑騎手。04年のデビューから着実に勝ち星を積み重ね、通算成績は500勝達成間近。決して悪くない騎手人生に映るが、08年の75勝をピークに勝利数は減少傾向にあり、ここ２年は42勝、39勝。そんな状況に本人は歯がゆさを感じており、昨年の秋から準備を進めてきた。

　「簡単にレースで乗せてもらえるとは思っていませんが、大きな変化を求めるからには長期じゃないと意味がない。じっくりと腰を据えて行ってきます」と決意は固い。妻と子供を日本に残し、収入の見込みのない環境に飛び込むのは並大抵の覚悟がないとできないこと。文化の違いや言葉の壁など、さまざまな障害があるだろうが、そこには必ず得られるモノがあるはずで、それは体感したものにしか語れない貴重な経験になる。もともとが真面目で研究熱心。コミュニケーション能力も高くて誰からも好かれる彼だけに、さらに人間力を磨いて大きく成長して帰ってくるだろう。

（栗東厩舎班・安里真一）

2013年03月03日