馬が騎手を育てる

　先週日曜の中山９Ｒ、千葉日報杯を若手の横山和が逃げ切り勝ち。今年５勝目で初の特別戦Ｖだった。その前走、小倉で５００万下の平場を逃げ切った時にも騎乗していたが、今回は中央場所。当週の取材で杉浦師に“乗り代わりはあるの？”と直撃したら「新人の方がいいんだよ。変にマークがきつくならないから」と横山ジュニアを全幅の信頼。結果はその通り、マイペースで逃げて１馬身半差の快勝だった。

　レース後、検量室前で“うまく乗ったね”と声を掛けたが「馬が自分で走ったんだ。乗り役が勝たせたんじゃない」と杉浦師は厳しいコメント。横山君も「ただ手綱を抑えていただけなんです」と馬に感謝していた。

　以前は平場のオープン競走があったが、若いうちは走る馬に乗って勝ち方を馬に教えてもらうことが必要だ。厩舎制度の変革で経営にも格差が出てきた。なかなか若い騎手には走る馬が巡りづらいが、騎手の向上のためにも一考がほしい。

（美浦調教班・鶴谷義雄）

2013年03月30日