実力主義のフランスで己を磨く藤岡佑

　４月１６日からフランスに遠征している藤岡佑騎手が、６月２１日に通算８戦目で遠征初勝利を挙げた。「フランスに来て“１鞍、１勝の重み”を痛いほど感じています。たくさんの経験を無駄にしないためにも、結果に一喜一憂せず、自分を高めていきたい」とは、いかにも優等生の藤岡佑騎手らしいコメントだ。

　フランスは日本以上に実力主義のシビアな世界。当然、結果を出せば評価も上がる。昨年からフランスに拠点を置いているリスポリ騎手も、１勝してから一気に騎乗依頼が増えたそうで、藤岡佑騎手も勝った途端に「明日から調教に乗ってほしい」と声を掛けられたそうだ。２７日にはドーヴィル競馬場で初めてフランス人調教師の管理馬に２鞍の騎乗。３０日には４時間かけてヴィッテル競馬場へ乗りに行くとのこと。ここまでの遠征が順調に進んでいるのは何よりだ。

　日本では『外国人騎手に通年免許』の動きが出ており、将来的には騎手免許に国籍の垣根がなくなる、その第一歩に違いない。厳しくなるであろう未来のために見聞を広める意味でも、若手騎手には藤岡佑騎手のようにどんどん外へ飛び出してもらいたい。

（栗東厩舎班・安里真一）

2013年06月28日