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コラム

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宝塚記念当日の明と暗

 3強対決で大いに盛り上がった先週の宝塚記念。ゴールドシップの復活で幕を閉じたが、3強が4角で横並びになるレースは各馬がしっかりと力を出し切った一戦と言えそうだ。

 ゴールドは共同通信杯以来の好位からの立ち回りで強さを発揮。ジェンティルドンナはたたき合いでねじ伏せられる形になったが、これはドバイ・シーマクラシックのゴール前で離されたことが精神面に影響を及ぼしたのかもしれない。フェノーメノは自分の競馬ができなかったことに尽きる。当日は天気予報を覆す降雨により、かなり力を要する良馬場。ゴールドに一番風が吹いたのも事実だが、いずれにしろ皆が納得できる一戦だったのでは。

 入場人員は前年比115・2%のアップ。だが、売り上げは同90・3%でダウン。これはひとえに予想された混雑に対応できなかった主催者側の怠慢と言えそうだ。記者は基本的にはPATで馬券を購入しており、現金はあまり持たない主義。しかしながらスマートフォンは全くつながらず、電話もかけられない状況では手の打ちようがない。

 となれば、現金購入なのだが、競馬場内の窓口は以前よりも縮小しており、どこの人気ラーメン店やというぐらいの行列。これでは買う気も起きない。パドックを見て、返し馬をチェックすれば当然タイムオーバー。そりゃ売り上げも下がるわと言いたくなる。

 見るからに初心者という人が多く来場していたように映ったが、おろおろしている人、ふてくされて寝ている人などなど。楽しんでいるというよりは疲れたり、イラついたりしているお客さんが多かった印象だ。これで競馬場や競馬が嫌いにならなければと思うが、いずれにしろ、ファンが快適に過ごせる努力をしないと競馬人口は減るばかり。

 今週から始まった中京も混むことで有名。主催者側もこれを機に何かを変えていかないと、競馬離れはどんどん進むだろう。タレントを呼ぶのもいいが、来場したお客さんに満足してもらえてこそエンターテイメント。競馬場で快適に過ごす努力(スマホの電波、窓口の増加、女性トイレの増加など)を主催者側には求めたい。

(栗東調教班・吉田順一)

2013年06月30日