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描かれた一頭の馬との出会い

 私のことを古くから知っている人には笑われそうだが、最近のマイブームは美術館巡りだ。絵画に詳しい叔母をアドバイザーに、先日は京都市美術館で開催された「リヒテンシュタイン展」へ。そこで若林助手(中竹厩舎)にバッタリ会ったのは驚いたが、彼も「たまには競馬を離れることも大切ですよ」とリフレッシュしていた様子。日々競馬漬けの私にとって、未知の世界を知ることは非常に有意義だ。

 まだまだビギナーで、絵画を語る資格などないのだが、先日初めて見た一枚の絵には心を奪われた。神田日勝作「馬(絶筆)」である。ベニヤ板に描かれた“半身の馬”の姿は、凄まじい表現力…。誤解を恐れずに言えば、現役の競走馬以上に心を動かされた。

 私と同郷の北海道の画家。描かれた馬の目は非常に力があり、日勝の馬に対する愛が感じられるとともに、労力として酷使した感謝の思い、そして貧困に対する怒りのような強い気持ちが感じられる。その点、今の競馬界にこれだけの強いメッセージ性があるのだろうか。疑問に思った。

 ハイセイコーやオグリキャップがブームを巻き起こした時代が終わり、競馬が国際化して第2ステージに突入しているのは理解している。だが、勝負事であることに変わりはないのだから、ファンに対して“熱”は伝え続けなければならない。

 今の競馬シーンに、感動が薄れているのは紛れもない事実。これは我々マスコミを含めて、競馬界全体の課題だろう。この夏、ベニヤ板に描かれた一頭の馬と出会って、身の引き締まる思いがした。

(関西デイリー・松浦孝司)

2013年07月09日