夏場に狙える“馬優先主義”の厩舎

　勢司師のモットーは“馬優先主義”。馬の状態、成長に合わせた調整法は、話を聞けば「なるほど…」と納得させられることが多い。うだるような暑さで夏負けの馬が多くなってきたが、勢司厩舎の馬たちは元気いっぱいだ。“勢司厩舎の時計番”である筆者としては、馬券で狙える馬が多く、頼りになる厩舎だ。

　「夏場はどうしてもオーバーワークを避けたいところ。でも、うちの馬はしっかりとケアができている。だから、この時季でもハードにやれるんだ。あとは馬自身の『走りたい』という気持ちをどうコントロールしてあげられるか。強い調教ばかりでは参ってしまうし、このあたりはスタッフと話し合って、ベストの選択をしている。だから、夏場に好調の馬が多いんだよ」と師は胸を張る。

　今週のイチ推しは、オーマイレディ（牝２歳、父グラスワンダー、母ムーディーサンダー）。バネがあって、いかにも実戦ではじけそうなタイプだ。師も「グッド！グッド！」と、仕上がりの良さに太鼓判を押した。

（美浦調教班・佐野裕樹）

2013年08月15日