競馬場を居心地のいい場所に

　筆者を含め、親族みなが巨人ファン。だから子供のころは、ゴールデンタイムに決まって巨人戦の中継を見ていた。それだけに、地上波から野球が追いやられている現状にはさみしさを禁じ得ないが、近年の東京ドームの観客動員が着実に回復してきていることをご存じだろうか？

　今年に関しては、ほぼ連日満員の盛況ぶりで、地道に若年層（特に女性）をターゲットとした、ファンサービスの強化が実を結んだようだ。たまに球場を訪れてみても、観客の約半数は３０代以下で、しかもかなり女性の割合が多く、思わず試合がそっちのけになるほどの美女もチラホラ。この光景を見る限り、ジャイアンツも野球も簡単に沈むことはないだろう。

　一方で競馬界も、素人向けの馬券教室やセミナーの開催などで、新たなファン（特に女性）の掘り起こしに懸命。この取り組みは非常に評価できるもので、結果として返ってくる日もそう遠くないと思う。

　ただ、気になるのがその後、である。手を尽くして交際に持ち込んでも、簡単に振られてしまっては意味がない。継続して競馬を楽しんでもらうための環境の整備こそが重要である。

　今の競馬場が女性にとって快適な場所かと問われれば、正直疑問符が付く。野球界のように女性専用シート、カップルシートの導入など、居心地のいい空間づくりも合わせて進めていかないと、せっかくの努力も報われない気がするのだが…。

（美浦調教班・森元要輔）

2013年09月08日