馬乗りは命懸け

　久しぶりに馬に乗った。乗ったといっても乗馬。さすがに競走馬にはまたがれない。

　若いころは石渡、加藤記者と毎週のように乗馬に行っていた。メガトン級の石渡記者を背にした馬が顔をしかめ、翌日から腰痛に悩まされたとか、悩まされていないとか…そんな余談はともかく、うれしかったことは息子と一緒に乗れたこと。馬の背から２人で眺めた景色は爽快だった。

　「もう一回！」とおねだりした息子は、馬乗りに目覚めたか。ただ、あくまで楽しみの範囲で。危険と隣り合わせの職業を選択してほしくないと願うのは、親としての本音だ。

　きょうの追い切りでの出来事。直線でトップスピードに入った馬が故障。乗っていた津村が放り出された。幸いにもケガはなかったが、一歩間違えれば大惨事になっていた。これが息子だったら…考えたらゾッとする。

　馬乗りは命懸けの仕事、それでもやりたいと言ったら背中を押す。そして「いいところ教えろよ」と。

（美浦調教班・佐野裕樹）

2013年12月11日