ふるさと定期便

ダービーに縁のある血統、スマイルジャックに注目

　オークスを制したトールポピーは、父ジャングルポケット、祖父トニービンの東京コース巧者ぶりが受け継がれていた印象が強かった。「最もダービー馬に適した血統」を考えると大きく浮上してくるのがスマイルジャックだ。

　その血統について生産した鵡川・上水牧場の上水明場長は「全くの偶然なのですが、母シーセモアの父サンデーサイレンス、母父マルゼンスキー、祖母父セントクレスピンという交配されている種牡馬は、98年のダービー馬スペシャルウィークとすべて同じなのです」と奇妙な一致に驚いている。いずれも日本を代表する名種牡馬ではあるが、意図しないで３代続けて同じ種牡馬が交配される偶然は限りなくゼロに近い確率だろう。そのスペシャルウィークはダービー馬というだけでなく、天皇賞・秋、ジャパンＣも加えて東京コースでＧ?３勝を挙げてている。

　スマイルジャックの場合、さらにダービーに縁が深い。「父タニノギムレットはダービー馬ですし、その初年度産駒ウオッカが昨年のダービーを制しました。これだけダービー、東京コースに縁のある血統も珍しいでしょう」と上水さんはその相性に気分を良くしている。　『ダービー馬はダービー馬から』と言われているが、今年の出走予定18頭の中で父にダービー馬を持つのは、他にはアドマイヤベガ産駒クリスタルウイングとスペシャルウィーク産駒フローテーションだけ。「ダービー血統」という点ではスマイルジャックの右に出る馬はいない。

2008年05月30日