ふるさと定期便

今年のセレクトセールはタキオン産駒争奪戦

　まだアグネスタキオン・ショックから覚めやらない馬産地だが、７月13日から開催される「セレクトセール２００９」には予想外のアグネスタキオン急死の影響が出てきそうだ。

　「不況知らず」「別世界」と言われていたセレクトセールだが、さすがに昨年は売り上げが大きく落ち込み総額100億円を割ってしまった。ディープインパクト初年度産駒が当歳セールに登場するという話題もマスコミ的な人気は得られたが、売り上げにはそれほどの影響を及ぼすことはなかった。今年は経済状況がさらに悪化しているし、ディープインパクトの半弟などダイワメジャー初年度産駒が登場すること以外は大きな話題も見当たらない。昨年よりもさらに大幅に売り上げがダウンすることも予想されていた。

　だがアグネスタキオンの急死で、なおさら貴重になったその血を求める人が増えてきそうなのだ。セール上場予定の497頭中、アグネスタキオン産駒は全体の１割近い最多の45頭（当歳29頭、１歳16頭）が上場される。通常だと価格が高騰しない牝馬も、アグネスタキオン産駒は繁殖牝馬としての価値が今後一層高まることが予想されるので、一般馬主だけでなく生産者も食指を動かしている。アグネスタキオン産駒の価格が２?３割高まれば、売り上げ全体にも大きく影響してくる。

　20頭が上場されるネオユニヴァース産駒も激しい争奪戦になりそうなだけに、今年もセレクトセールは「別世界」になるかもしれない。

2009年07月03日