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努力一徹の英雄・桑島騎手が引退

 史上最多4万201戦に騎乗した地方競馬の名手・桑島孝春騎手(55)の引退式が9日、船橋競馬場で行われた。ベテランになっても毎日20頭もの調教をこなし、休むことなく南関東4場すべての開催日に騎乗を続けてきた努力一徹の男に、多くのファンから惜しみない拍手が送られた。

 桑島騎手は馬産地の北海道浦河町出身。実家は林業だったが、家では農耕馬を飼っていたし、友人の多くが牧場関係者だったことから、子供の時からサラブレッドに興味を持っていた。中学生の時、遊びに行った友人の牧場で、後の師匠となる高松弘之調教師と出会い騎手になることを決意。15歳で上京して騎手学校に入り、卒業後すぐにデビューを果たした。

 桑島騎手の名を一躍、全国にとどろかせたのは85年ジャパンC。ロッキータイガーに騎乗して豪快な水車ムチで2着に突っ込んだ。地方馬が芝のレースで世界の強豪相手に互角以上の能力を見せたこと。あのシンボリルドルフを相手に果敢に立ち向かった姿。そして大きなアクションでも重心がブレずに末脚を伸ばさせた桑島騎手の騎乗スタイルは、地方競馬の魅力を全国にアピールする結果となった。

 桑島騎手はどんな有力馬の騎乗依頼があろうと、自厩舎の馬、これまで騎乗を続けていた馬が出走していれば、頑固なまでに依頼を断ってきた。調教師や馬主から「勝てる馬に騎乗してもいいのに」と言われても首を横に振った。騎乗数が史上最多でも勝ち星が4位(4713勝)なのは、その性格による。それだけに血統的には全く目立たない小牧場の生産馬にも多数騎乗しており、おそらく日高のほぼすべて牧場の生産馬に騎乗したはずだ。その意味でも日高への貢献は極めて大きい“日高の英雄”だった。

2010年06月11日