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80年代の象徴・皇帝ルドルフが逝く
あのシンボリルドルフが死んだ。昨年11月のジャパンC当日に東京競馬場でお披露目された時には、溢れんばかりの気力を見せていて、シンザンの長寿記録を超えるのではないかとさえ感じられたものだったが、30歳で力尽きてしまった。それでも人間なら100歳近い高齢で、名馬は長寿であることを十分に示してくれた。
シンボリルドルフの偉業は数多くあるが、現役時代は無敗3冠、7冠という成績以上に、1歳年上の3感馬ミスターシービーとの対決が大きなハイライトだったのではないだろうか。計3度の対決はいずれもシンボリルドルフが先着したが、3冠馬同士の対決が見られる機会などおそらく今後も極めて低い確率だろう。その両頭のレースぶりが“極端な異端児”と“超優等生”と対照的だった点も、対決ムードを盛り上げた。
その3冠馬対決は種牡馬入りしてからも続いた。産駒成績を競ったのではなく、その対決は「種付け料」だった。種牡馬入りの際のシンジケート価格はミスターシービー6億円、シンボリルドルフ10億円で、それぞれ単純に種付け料に換算するとおよそ200万円と330万円。ところがその権利がなかなか手に入らない希少価値とバブル景気によって、産駒デビュー前段階のノミネーションセールで競うように値上がりを続け、最終的にはミスターシービー2001万円、シンボリルドルフ1351万円にまで達したのだ。
こちらの対決ではミスターシービーに軍配が上がったのだが、種牡馬成績の面ではトウカイテイオーを出したシンボリルドルフがやや上位。それでも両頭ともリーディング5位以内に入ったことはなく、期待の大きさからすれば期待外れだったかもしれない。だがこの種付け料狂想曲は馬産地がもっとも活気に満ちていた時代の象徴であり、シンボリルドルフはまさしくその主役。その意味でもシンボリルドルフは馬産地にとって忘れられない名馬だった。
2011年10月07日
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