北海道牧場紀行

メジロ牧場編?Ｐａｒｔ??

　メジロドーベルも13歳になった。エリザベス女王杯連覇を含むＧ?レース５勝をリアルタイムで見てきた筆者にとっては、もうそんな年齢になったのか、と思ってしまう。
　メジロドーベルの年齢に違和感を感じてしまう理由は、繁殖牝馬となった今の姿が見えてこないからではないだろうか。同期のグレースアドマイヤが、今年の皐月賞馬ヴィクトリー、プロモーションもダービー２着馬のアドマイヤメインを輩出。エリザベス女王杯を争ったエアグルーヴやフサイチエアデールも、名牝から名繁殖牝馬の道を歩み出している。
　一方で、繁殖牝馬としてのメジロドーベルは、さまざまな不運が続いたこともあり、まだ現役時のような輝かしい実績を残してはいない。
　04年から２年間空胎が続いていたが、昨年はメジロドーベルの06（牝、父マンハッタンカフェ）を出産。今年もかわいらしい牝馬（メジロドーベルの07、牝、父スペシャルウィーク、４月14日生まれ）を誕生させた。　　「体のラインがきれいな馬ですね。頭も小さく、バランスに秀でていますよ。どちからというとメジロドーベルに似ていますかね」とはメジロ牧場の田中秀俊獣医の言葉。
　初年度産駒以降、メジロドーベルにはサンデーサイレンス、あるいはサンデーサイレンス系の種牡馬を配合し続けているが、産駒の出来を見て、この父系とメジロドーベルとの相性の良さを感じているからだという。ちなみに１歳となったメジローベルの06も柔らかい動きをしており、放牧地でも目立った存在だという。　「まずは産駒に１勝を挙げてもらいたいです。クラシックの期待はそれからでいいと思います」と田中獣医。それでも１勝の向こうには、あっという間にクラシックタイトルが待っていそうな気がしてくるのは、母の強さと速さを知る自分だけではないはずだ。

2007年09月08日