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北海道牧場紀行

西山牧場編?Part??

 西山牧場へと取材に行くたび、必ずと言っていいほどニシノフラワーの姿を見てきた。
 そのニシノフラワーも今年で18歳。この日は小さなパドックに1頭だけで放牧されていたが、珍しい人間を見た瞬間に取材だと気づいたのか、いきなりきりっとポースを取り、『どうぞ写真を撮ってください』と言わんばかりに耳を真っすぐに立てる。
 「昔はまだ現役馬らしいやんちゃさもありましたが、今ではすっかりお母さんらしくなりました。それだけ産駒も取っていますし、何よりも年齢が年齢ですからね」と繁殖スタッフの方は話してくれた。
 産駒ではニシノデューが6勝、ニシノマナムスメは先日3勝目を挙げ、今後の活躍が期待される。それでも自身の輝かしいばかりの競走成績と比べると、どこか産駒の活躍が寂しく見えてしまうのは、致し方のないところだろうか。

 ただ毎年のように産駒を送り出しているのは、繁殖牝馬として優秀なことであるし、ニシノマナムスメには産駒初となる重賞制覇も期待できそうだ。今年は空胎ということで残念ではあるが、1年体を休めたことで、再来年には親子ツーショットの姿を見せてくれるに違いない。
 今年、牧場に誕生した当歳馬はニシノマナムスメの全弟に当たる。ニシノフラワーの07(牡、父アグネスタキオン、4月14日生まれ)は元気過ぎるほど元気いっぱいで、写真撮影には少々手を焼いた。
 「柔らかみを感じるところは父のアグネスタキオンが出ていますかね。同じ時期のニシノマナムスメとはタイプが違って出ていますが、それでもこの血統だけに期待は大きいです」と話すスタッフの言葉にも力が入る。
 確かにこの血統ならば、活躍をした暁には種牡馬の可能性も見えてくる。腹袋がしっかりとしてたくましい馬体も見栄えがするし、将来の種牡馬候補だと言い切ってしまいたい。

2007年11月10日