世界の馬窓から

弟の活躍で価値が跳ね上がった“シンデレラガール”

　ビッグブラウンの30年ぶり３冠、そして兄姉弟による３連覇という記録がかかっていたカジノドライヴの挑戦…話題を集めた米クラシック最後の１冠・ベルモントＳだったが、カジノドライヴは出走取消、ビッグブラウンは直線で失速し、いずれの偉業も達成されることなく幕を閉じた。

　そのベルモントＳを制したダタラは、最低人気という伏兵の中の伏兵だった。父はＢＣクラシックを連覇したティズナウ、母はＧ?馬プライヴェートパスエーションの全妹という血統なのだが、実は日本に姉がいた。スプリント戦を中心に現在３勝を挙げているサウスヒューマーで、１つ上にあたる。現地のエージェントたちは日本いる姉の血統的価値について高く評価する。

　「弟のダタラがベルモントＳを勝ったことによって、その価値は何倍にも跳ね上がったのは間違いないね。また、父が03年の米２冠馬・ファニーサイドなどを輩出したDistorted Humorというのもここ米国では大きなセールポイントだ。日本での競走成績しかなくても、繁殖牝馬としては最低でもミリオンダラーの価値がつけられるだろうし、その産駒たちも高額で取引されるのは確実だよ」

　日本の中では単なる『４歳の３勝馬』かもしれないが、生まれ故郷の米国ではシンデレラガールとして「１億円以上の価値」という評価を受けている。　

2008年07月19日