世界の馬窓から

オールウェザーがアメリカ競馬を変える！？

　カジノドライヴの参戦により、日本でも例年以上に注目を集めた第25回ＢＣクラシックは、デットーリ騎乗のレイヴンズパスが勝ち、欧州勢２頭目の覇者として名を刻んだ。

　そのレイヴンズパスに、前走のクイーンエリザベス?世Ｓ（英Ｇ?・芝８Ｆ）で１馬身差２着だったヘンリーザナヴィゲーターがここでも２着。そして、圧倒的１番人気に支持されていた米国のカーリンは４着に敗れた。現地では、レース前からさまざまな意味で注目を集めていたオールウェザーだが、やはり勝敗を分けたポイントだったようだ。

　「これまでのダートならば、後続の馬が末脚を伸ばしてくることがなく、ほとんどが先行押し切りだった。カーリンにしても、ダートだったら向正面で動き、そのまま押し切っていたはず。それが、後ろから伸びてきた馬に差し切られてしまうとは…。全く別の競馬になってしまった」と現地厩舎スタッフは衝撃を隠せない。

　さらに「オールウェザーということで、これまでよりもたくさん参戦してきたということはあるにしても、欧州馬がこれほど上位に入ったブリーダーズカップはない。今後、ダートから変更されていくようなら、米競馬を変えてしまうことになりそうだ」

　すでにダートとは別に『オールウェザー・サイアーランキング』が発表されており、予想通りダートとは違った結果となっている。「オールウェザーが米競馬そのものを変えてしまう」ということを示した今年のブリーダーズカップだった。

2008年11月01日