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世界の馬窓から

歴史を変えた大種牡馬サドラーズウェルズが死亡

 英愛リーディングサイアーに14回輝き、世界の血統図を大きく塗り替えたサドラーズウェルズが26日、功労馬としてけい用されていた愛国のクールモアスタッドで死亡した。30歳だった。

 欧州では後継馬とされるモンジューやガリレオが、一流種牡馬としての確固たる地位を確立。日本でもテイエムオペラオー、メイショウサムソンという2頭のチャンピオンホースを生んだオペラハウスなどから、その血脈はしっかりと受け継がれている。

 ただ、日本での直子となるとステイヤーズSを勝ったサージュウェルズが筆頭に挙げられるように、欧州の輝かしい実績と比べると見劣ってしまう。その点についてこれまで日本人関係者は「重厚なタイプが多いため、日本の軽い馬場には合わない」という見解を口にしてきた。 

 しかし、愛国をはじめとする欧州の競馬関係者は「超一流の産駒は日本に行っていないんだ。モンジューやガリレオといった本当のトップクラスが日本で走っていたら、間違いなく成功していたはずだ」と反論する。

 また、日本競馬を知る関係者のなかには“スタイルの違い”を要因に挙げる人もいる。「日本では3歳向きの馬でも2歳からレースに使うよね。でもこちらでは、そういった馬は3歳になるまで走らせることはない。しっかりと時が来るのを待つんだ。サドラーズウェルズ産駒は完成の遅いタイプが多く、それによって素質の目が摘まれてしまったのかもしれない」(欧州厩舎スタッフ)

 見解はさまざまだが、大種牡馬の偉大な血脈が受け継がれ、さらに拡大をしていくことは間違いない。

2011年04月30日