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世界の馬窓から
さらなるムチの制限強化で揺れる英国競馬
英国でステッキの使用法や回数に制限が設けられていることは、日本でもよく知られている。05年の英インターナショナルSではゼンノロブロイに騎乗した武豊が、エレクトロキューショニストと叩き合いを演じた際に、ステッキの使用違反があったとして騎乗停止処分を受けている。
今回、英国ジョッキークラブはムチの使用回数に関して、さらに制限を強化する動きを取った。このルール改正に対して騎手たちはそろって反対を表明。トップジョッキーの一人であるR・ヒューズが引退してしまうなど激しく抵抗している。英国では騎手にもスト権があり、以前訪れた際には調教騎乗料の未払い問題で、スト通告が出されたことがあった。結局は回避されたが、開催の発表があるまで新聞が店頭に並ばず、各方面に影響が生じた。
今回の制限強化案については、騎手以外からも「これ以上は必要ない」と反対の声が多いようだ。「結局は動物愛護団体からの抗議なのだろうが、いまはステッキを意味もなく勢いで連打するケースは皆無。これ以上制限することは競馬の持つ迫力を奪うことになる」(現地厩舎スタッフ)
今後JRAは、ルールの分かれる英国と仏国で、より厳しい前者を基準にシフトする可能性があると言われている。何度も現地に足を運び、その目で確認して方向性を決めるべきだろう。
2011年12月10日
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