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世界の馬窓から

研ぎ澄まされた技術で存在感を示すファロン

 昨年は歴史的名馬フランケルが7連勝目を刻み、グランプリボスが挑戦したことでも注目を集めた英G?・セントジェームズパレスS(芝1600m)。今年はK・ファロン騎乗のモーストインプルーヴドが、2着馬に3/4馬身差をつけてG?初制覇を飾った。この勝利はファロンにとって今年2つ目のG?タイトル獲得とともに、改めてその存在感を示す形となった。

 現地の厩舎関係者は「R・ムーアを筆頭に、次々とトップジョッキーが出てきているが、キーラン(ファロン)の技術はいまも健在。問題も指摘されるが、技術は衰えるどころかますます進化しているからね。今回にしても直線での動きはさすがキーランと思わせるものだった。当時エイダン(A・オブライエン師)が問題を処理して、何とか契約を延長しようと力を尽くした技術はダテじゃないということだよ」と口をそろえる。

 現地8月1日現在、英リーディングを走るJ・ファニングが122勝を挙げ、2位に20勝以上の差をつけて独走状態となっている。ファロンはベスト10にも入らない45勝となっているが「今回発揮された勝負強さも含めて、数字では推し量れない魅力がキーランにはある」ということなのだ。

 欧州各国で若手が台頭する中、愛国のJ・ムルタ、仏国のO・ペリエといった技術に裏付けされたベテランが、存在感を示している。

2012年08月04日